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精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男

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建築家の文章は哲学的でむずかしい、世間でそう言われ始める以前の建築家による名文集。

すぐれた建築の設計者であるとともに、すぐれた文章の書き手として知られる3人の建築家──谷口吉郎(1904-1979)、清家清(1918-2005)、篠原一男(1925-2006)。彼らは東京工業大学で師弟関係にありましたが、その文章は一般向けに建築の魅力を伝える随筆から、先鋭的に建築の世界を革新する論考まで、テーマや文体はまさしく三者三様でした。
本書では、今や多くが入手困難になった彼らの著作から、それぞれのエッセンスが詰まった文章を精選。さらに付録として、東京工業大学で3人の系譜を継ぐ建築家・坂本一成と塚本由晴の対談「文章を読むことと書くこと」を収録し、建築と文章の歴史的な関係をたどります。
個人雑誌『建築と日常』の長島明夫による出版レーベル〈出版長島〉の第一弾。

■書誌
A5判|並製|376ページ|編集=長島明夫|ブックデザイン=服部一成|発行=出版長島|2022年11月11日発行
ISBN978-4-9912796-0-7 C3352

■構成
- 本編(全42編/約19万字)
第一部 谷口吉郎
第二部 清家清
第三部 篠原一男
- 付録(約7万字)
解説 長島明夫
対談 坂本一成・塚本由晴
略年表

■著者の言葉
谷口吉郎──建築こそ歴史の花であろう。過去の花、現代の花、色とりどりの中で、いつも私の心をひくものは、その建築の美しさにひそむ清浄な意匠心である。(1947年)

清家清──建築は誰のためにあるかといえばそれを使うひとのためにあるのだから、その建築のなかにあるひとがよければ、その建築はよい建築だとみても差支えないだろう。(1957年)

篠原一男──住宅は芸術です。誤解や反撥を承知の上でこのような発言をしなければならない地点にわたしたちは立っています。(1962年)

■解説ためし読み
長島明夫「解説および読解」(冒頭約3,000字)
https://note.com/richeamateur/n/n8b1d524b851c

■編集趣旨
『建築と日常』編集者日記 2022-11-27(約2,100字)
https://richeamateur.hatenablog.jp/entry/20221127/1669474800

■トーク音源
精選建築雑談1 谷口吉郎・清家清・篠原一男(2023年2月26日)
話者=大村高広+大室佑介+奥泉理佐子+能作文徳+出版長島
https://twitter.com/richeamateur/status/1622954605171867651

■著者略歴
たにぐち・よしろう(1904-1979)
建築家。金沢の伝統的な九谷焼の窯元に生まれる。東京帝国大学建築学科では前川國男らと同級。1930年から定年退官する1965年まで東京工業大学に所属し、設計・研究活動を展開。科学的な研究を通して建築の近代化に寄与する一方、文学者や芸術家との幅広い交流があり、自身も数多くの文章をものして、文人的な建築家として知られた。設計作品には墓碑や記念碑も多く、博物館明治村の開設に尽力して初代館長を務めるなど、建築の保存にも深く関わった。1973年、文化勲章を受章。2019年には金沢市の生家の跡地に「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」が開館(建築家の谷口吉生は長男)。主な作品に《東京工業大学水力実験室》《藤村記念堂》《秩父セメント第2工場》《千鳥ケ淵戦没者墓苑》《東宮御所》《乗泉寺》《東京国立博物館東洋館》《迎賓館和風別館》、著書に『雪あかり日記』『清らかな意匠』『修学院離宮』『せせらぎ日記』など。

せいけ・きよし(1918-2005)
建築家。東京美術学校(後の東京芸術大学)建築科卒業後、あらためて東京工業大学建築学科に入学。1943年、戦時下で繰り上げ卒業し、海軍に入隊。戦後、東京工業大学に所属し、研究室をベースに活動。定年退官間近の1977年からは東京芸術大学教授も務めたほか、日本建築学会会長、東京建築士会会長、札幌市立高等専門学校校長などの要職を歴任。戦後を代表する住宅作家の一人であり、とりわけ自邸《私の家》を含む1950年代前半の小住宅がよく知られる。住人それぞれの生活を重視し、住まいをめぐる一般向けの文章を数多く執筆するとともに、建築家の独りよがりな作家的態度を批判した。その他の作品に《九州工業大学記念講堂・事務棟》《小原流家元会館》《伊豆・三津シーパラダイス》《軽井沢プリンスホテル新館》《朝倉文夫記念館》、主な著書に『ぱるてのん』『マイホーム設計術』『家相の科学』『住まいのシステム』など。

しのはら・かずお(1925-2006)
建築家。東京物理学校(後の東京理科大学)数学科卒業後、東京医科歯科大学予科で数学の教鞭を執るも、建築に転向。25歳で東京工業大学に入学し、最終学年で清家研究室に所属する。卒業後はそのまま東京工業大学で教職に就き、設計・研究活動を展開。寡作ながらも批評的で作品性の高い住宅群と、「住宅は芸術である」(1962年)に代表されるセンセーショナルで革新的な言説は、坂本一成や長谷川逸子など研究室の出身者だけでなく、伊東豊雄ら建築界の後進にも広く影響を与えた。1980年代以降、その影響は海外にも及び、近年もなおヨーロッパや中国で関連書籍の出版や展覧会の開催が続く。主な作品に《から傘の家》《白の家》《未完の家》《谷川さんの住宅》《上原通りの住宅》《ハウス イン ヨコハマ》《東京工業大学百年記念館》、著書に『住宅建築』『住宅論』『続住宅論』など。ほかに著作の抜粋集として『アフォリズム・篠原一男の空間言説』(奥山信一編)がある。

■目次
- 第一部 谷口吉郎
建築家志望
手を
建築の研究生として
材質の清らかさ
建物の色
形と線と
清らかな意匠 あとがき
環境の意匠
旗の意匠
ミカンの皮の意匠
失われし名作
記念の造形──墓碑設計者の片言
告白・絶唱
合理精神の記念碑──谷口吉郎先生の作品をたどって(篠原一男)
谷口先生(清家清)

- 第二部 清家清
ファサードにも夢と詩を──商店建築懸賞競技審査評
もし自分が家を建てるなら
新しい傾向
編集後記──『新建築』一九五七年一〇月号
装飾
色をどう決めているか
棟持柱
シンメトリーと建築
建築家と数学
室内舖設
生活の美化
「住まい」ということ
マイホーム設計術 はしがき
ケ・セラ・セラ
習慣の深度──一九五〇年代の建築表現をめぐって(清家清・篠原一男)

- 第三部 篠原一男
日本の風土のなかから
未来に賭けて〝住みにくさ〟を
現代の条件1 住宅は芸術である
現代の条件2 無駄な空間を
現代の条件3 様式がつくられるとき
現代の条件4 生産と技術
現代の条件5 実験
技術と人間
地味であること
審査員のことば──新建築住宅設計競技一九七二
一九二〇年代の精神への讃
比類なき緊張の空間を求め続けて(坂本一成)

解説および読解(長島明夫)
文章を読むことと書くこと(坂本一成・塚本由晴)
谷口吉郎・清家清・篠原一男 略年表

■既刊書との重複について
篠原一男の『住宅論』(鹿島出版会、1970年)や『続住宅論』(鹿島出版会、1975年)など、現在も販売中の書籍との重複は極力避けて編纂しています。すでに絶版になって久しい谷口吉郎の『清らかな意匠』(朝日新聞社、1948年)と『谷口吉郎著作集』(全5巻、淡交社、1981年)、篠原一男の『住宅建築』(紀伊國屋新書、1964年)をお持ちでなければ、重複は特に気にかからないはずです。また仮にこれらの本をお持ちでも、これまで書籍未収録だった文章も多く載せているため、1冊の本として新鮮な読み応えのある内容になっていると思います。

■主な取扱店(2023年2月23日現在)
仕入れ冊数がわずかのところもありますので、ご訪問の際にはあらかじめ各店舗に在庫を確認されることをお勧めします。

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